こんにちは!山口市・防府市の福祉用具・介護用品専門店「加賀メディカル」本店スタッフの上田です。
猛暑・酷暑と言われるこの夏、ついに防府市も38℃を記録しましたね!皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日、来店されたお客様との会話で心配になったことをご紹介します。80代のご主人が奥様の為に車いすをレンタルしたいとのご相談でした。急に車いすが必要になったとのことでお身体の様子をお聞きしたところ、昨日は普通に庭で草むしりを昼までしていたのに、夕方くらいから動きが悪くなって、朝は立ち上がることが難しくなったとのことでした。このお話を聞いてびっくりしました。前の日は午前中でも30℃を超す炎天下で、その中でお昼まで草むしりをされた。熱中症対策をされてはいると思いますが、そもそも炎天下で屋外の作業はなるべく避けた方がよいものです。ご主人は奥様が何で動けなくなったかわからないので病院に行くとのことなので、熱中症の可能性があることをお伝えしました。後日、ご主人にお会いして話したところ原因はいろいろあるようですが、軽い熱中症にもなっていたとのことでした。現在はだいぶ回復されて、車いすももう少ししたら返却できるようになりそうと聞き安心しました。
そこで今回のテーマは「高齢者や認知症の熱中症について」です。暑いのはみんな同じ!と思っていませんか?実は同じ条件下で過ごしていても、高齢者や認知症の方の温度の感じ方や身体の反応は大きく異なるんです。知らず知らずのうちに熱中症になっていて緊急搬送されたら大変です。高齢者や認知症の方の熱中症リスクや予防について気になる方は是非続きをご覧ください。
まず、高齢者の熱中症リスクについてです。高齢者は温度に対する感覚が弱くなっていることが多く、暑いと感じにくかったり、のどの渇きを感じにくくなっています。また、若者に比べて身体の熱を周囲に逃がす、熱放散能力が低く、深部体温が上昇しやすいのが特徴です。このことにより、部屋が少々暑くても大丈夫だと勘違いして、身体の中には熱がこもった状態となり、室内でも熱中症になってしまいます。
認知症の方は高齢者の熱中症リスクに加えて、下記のことに気を付ける必要があります。認知症の症状の多くに判断力の低下があり、判断力の低下により暑さ寒さを正常に判断することができなくなります。高齢になり暑いと感じにくくなるうえに、暑いと感じてもその暑さが危険なものなのかを判断できなくなります。例えば、「暑いから水分を補給しよう」「暑いから室温を下げよう」「暑いから涼しい恰好になろう」こういった判断ができず、夏に厚着で過ごしたり、エアコンをつけなかったり、水分の補給をしなかったりすることで熱中症のリスクがより高まります。
高齢者の熱中症対策・予防法について①適切な室内温度管理高齢者がいる部屋の適切な温度は26℃〜28℃といわれています。ここで注意が必要なのが、エアコンで26℃設定にしても、室外温度が高すぎると設定温度まで下がらない場合があります。室内に温度計をつけ、適切な温度になっているかをよく確認しましょう。
②こまめな水分補給一度にがぶがぶと飲むのではなく、一口でもよいのでなるべく短い間隔で補給するようにしましょう。(1時間のうちに数回に分けて飲む等)また、カフェインを含む飲料は利尿作用があるので、水やミネラルを含む麦茶やスポーツ飲料などを飲むように心がけましょう。※水だけを飲み続けると汗によってミネラルが失われるので、塩分、ミネラルも補給するよう気を付けましょう。
③熱を放出しやすい服装選び汗をかくと洋服内に熱がこもり、熱中症のリスクを高めてしまいます。吸水性・速乾性に優れた服を着用しましょう。綿や麻の素材は、特に熱中症対策に適しています。
④夜間は扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用夜間は日中と比べると気温が下がるので熱中症自体は起きづらくなります。しかし、エアコンの温度調整と自分の体温調節が合わなくなり、身体に誤作動が起きることで倦怠感が生じる「冷房病」にも注意が必要です。エアコンの冷風を扇風機やサーキュレーターで部屋全体に広げ、室内温度を効率よく下げることがエアコンの設定温度を下げすぎない工夫になります。
⑤高齢者は周囲の人がサポート身近に高齢者がいる場合、熱中症を常に意識し、高齢者を一人にしないことが大切です。熱中症は誰でもなる病気ですが、高齢者は自覚症状に乏しいので周りの人が気にかける必要があります。そうは言っても、高齢夫婦の二人暮らしや一人暮らしの方で緊急時の対応が難しい場合もあると思います。そういった場合は、行政の行っている見守り措置や企業の見守りサービスを検討する方法もあります。
防府市の取り組みについてご紹介防府市緊急通報装置について
https://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/60/kinntuu.html
防府市では緊急時の対応や日常のご相談にボタン一つでコールセンターに繋がる、緊急通報装置を無料で貸与しています。健康、医療等のお困りごとの相談や安否確認、緊急時には緊急のボタンを押すことでコールセンターに繋がり、内容に合わせて消防本部や親族に連絡され、緊急対応が行われます。貸与の対象者は下記の通りです。1 おおむね65歳以上のひとり暮らしの高齢者で、慢性疾患等により日常生活上注意を要する者2 75歳以上の高齢者のみで世帯を構成している者3 重度心身障害者等のみで世帯を構成している者4 おおむね65歳以上の慢性疾患等を有する高齢者または重度心身障害者等であり、同居する家族が日中不在であること等により、緊急時の通報が困難であると認められる者お申し込みやお問い合わせは防府市役所 高齢福祉課 在宅支援係(1号館1階⑥番窓口)電話:0835-25-2973 FAX:0835-27-0098または、お近くの民生委員さんへご相談ください。
年々暑くなる日本の夏。昔と気温が違うのに昔と同じ対策では危険です。みんなで対策をして乗り切りましょう!!