認知症でのお困りごと相談例〜この靴は私の物ではないから履かない!と嫌がられる⁉〜

こんにちは!山口・防府の福祉用具・介護用品専門店「加賀メディカル」
本店スタッフの上田です。

 

最近ブログでご紹介した「電動爪切り」を店頭でお買い求めいただくことが多く、
多くの方のお役に立てていることをうれしく思う今日この頃です。
商品ご紹介記事についてはこちら→https://kaga-medical.co.jp/?p=1252
今後も介護や福祉用具等のお役立ち情報を随時更新していこうと思っていますので、
ご覧いただければ幸いです(^^♪

 

今回のテーマは、

「認知症でのお困りごと相談例・買い替えた物を自分の物ではないと嫌がる」についてです。

認知症とともに生きるためのちょっとしたポイントをお伝えできればと思います。
認知症の方の介護をしている方、
認知症になると日常生活でどのような困りごとがあるのか知りたい方におすすめの記事です。

 

加賀メディカルの店頭でよくご相談を受けるのが、
「前と全く同じ靴がありますか?」
「このパッケージの紙パンツ・尿取りパッドはありますか?」
と言うご相談です。これだけを聞くと、
・前買った靴がとても気に入っていて同じのがいいのかな?
・決まったパッケージのブランド商品を気に入っているのかな?
と思いますが、その後にこんな風におっしゃられることが多いです。

 

「同じ形でも色が違うと自分のじゃないって履かないで、ボロボロの前のばかり履くんです」
「中身は一緒なのにパッケージが少し変わっただけで違うと言って使わないんです」

 

同じ形でも前と違う色の方がいいかな?と思って買ったり、
そもそも使っていた紙パンツのパッケージが変わったり等々で
前の物とは異なる物を購入することがあると思います。
ところが、本人のことを思ってせっかく購入した物を


「これは私のではない!嫌だ!使わない!」
と否定されて使われず、買った家族としては新しく買った物を使ってほしいので、
「これからはこれを履いて!」
と口論になったというお話を聞くこともしばしば・・・。

 

認知症の症状には記憶障害があり、アルツハイマー型認知症では最近の出来事(短期記憶)から忘れていくのが主な特徴です。
前に長く使用していた物は覚えていても、最近買い替えられた新しい物は覚えられず、
買い替えたことが分からず自分の物がなくなったという風に感じたり、
自分の物ではない=他人の物なので使ってはいけない等、
その人なりの理由があって使わないことも多いです。
そんな時に「なんでこれを使わないの!これを使って!」という風に
強い口調で指摘されると、何がいけなかったのかわからず混乱してしまったり、
傷ついたり、反発したりしてお互いに辛い思いをしてしまいます。

様々な要因があるので、「この方法が一番良い」というものはありませんが、
下記にコミュニケーションのポイントをまとめましたので
参考にしていただければと思います。

 

認知症の方との円滑なコミュニケーションのポイント

①記憶に頼らない環境づくり
記憶があいまいになったり、忘れてしまっても、
書面などに記した言葉の意味は理解できることが多いので、
本人がよく目にする場所へわかりやすく書いたりすることが有効です。


例えば、買い替えた靴に名前を書く、紙パンツのパッケージや紙パンツ自体に名前を書く等です。
わざわざ書くのに時間がかかるかもしれませんが、
他の人の物ではない、自分の物と認識できる可能性があります。

オーダーで名前の刺繍を入れることのできる靴もあり、弊社でもご注文いただけます。

詳しくはこちら→徳武産業 あゆみダブルマジックⅢ等https://store.tokutake.co.jp/c/gr26/gr27/40009


ただし、書くだけで説明をしないという対応だと、
全てを忘れてしまうわけではないので、
説明されていない、侮辱された等という思いを抱いてしまう可能性もあるので、
口頭でも説明をするようにしましょう。

 

②本人と一緒に選ぶ(本人の好みに合わせた工夫をする)
色や装飾、ちょっとした形状など、なるべく本人と一緒に選んだり、好みに合わせる工夫をすることが大切です。
可能な限り本人の好みに合わせた方が記憶にも残りやすく、
忘れたとしても本人の好みに近いなら使用される可能性もあります。
施設などに入所していると一緒に店頭へ行って選ぶことが難しい場合もあると思います。
その場合は一緒にカタログで選んで、しるしをつけるのも一つの方法だと思います。


一緒に選ぶ際のポイントとして、
「どれが好き?どんなのが好き?」という風に聞くと
様々な情報を瞬時に判断することが難しくなっている場合、返答に困ることがあります。
ある程度選択肢を絞って「これとこれならどっちが好き?」とか
「はい」「いいえ」で答えられるように質問するほうが、
円滑なコミュニケーションにつながりやすいと思われます。

 

内閣府によると、認知症高齢者数は2025年には約700万人に達することが推計されています。
認知症は誰でもなりうるものであり、多くの人にとって身近なものになります。


加賀メディカルは
認知症の方もそのご家族の方にも
笑顔で過ごしていただけるよう
サポートいたします。
お気軽にご相談ください。